障害者雇用に際して、障害者の周りが大変になるという懸念を持っている人がいるかもしれませんね。
ただそれは、ケースバイケースであり、次のような場合には、周りが大変になると考えたほうが良いでしょう。
- 障害の程度が重く、介助が必要
- 本人に社会性が身についていない又はそのような症状がある
- サポート役の社員の日常業務量が軽減されていない
- 周囲の理解不足による対人トラブル
(1)障害の程度が重く、介助が必要
これはわかりやすい例ですよね。
介助が必要、すなわち周囲の助けが必要なため、周りが大変になるわけです。
多少の専門的な知識が必要になるでしょうから、一般社員ではなく、障害者福祉に精通した方がサポートするようにしたほうが良いです。
(2)社会性の欠落
障害者側の問題で一番考えられるのが、社会性の欠落です。
ADHDや発達障害など、コミュニケーションをとりながら仕事をするのが難しい症状の人がいます。
また、社会人経験のない障害者の場合は、“やさしい世界で育ってきた”ので、一から社会性を身につけるサポートをする必要があります。
(3)サポート役社員の業務量
ただ、周りが大変になる一番可能性があるのは、サポート役の社員の業務量が軽減されていない中で障害者雇用の教育係になり、業務負担が増えてしまったケースです。
この場合は、周りと言うよりサポート役の社員が大変になるでしょう。
通常の新人よりも手取り足取り教え、そして見守る必要があることから、障害者雇用の援助をする業務量分の通常業務量の負担軽減を申し出るべきです。
これは、とりあえず現場任せにしている人事・管理職側の問題です。
ただ、言わないと分からないと思いますので、上の役職の人に相談してください。
(4)周囲の理解不足による対人トラブル
たしかに障害者に対してどう接すれば良いのか分からない人のほうが多いでしょう。
そして、その知識の無さから、障害者との間で対人トラブルに発展することもあります。
基本的には良識ある態度で普通に接し、何ができないのか苦手なのかの把握をすれば大方問題ないです。
しかし、差別意識丸出しであったり、嫌味や悪口を言ったりしてしまえば、さすがに温厚な人でも怒るでしょう。
そういったことを防ぐためにも、人権研修であったり、業務上の配慮についての共有などが大切になってきます。
結論:周りが大変になる事態を避けることは可能
以上のように、問題点を把握しておけば、事前の改善・予防はできるわけです。
あなたの職場はできていますか?
今一度、点検してみましょう。
- サポート役社員の業務負担量を調整する
- 社会性の欠落や介助の必要性が高い場合は、本人とのコミュニケーションや症状の共有などを図る
- 通常と同じく他人と接する態度で接し、業務上の配慮事項を共有する